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就活セクシズムの問題はどうなるのか

就活セクシズムとは何か

就活は就職活動、セクシズムとは男だから・女だからという性別による固定概念や強要などを指す言葉。両者が合わさった就活セクシズムは、就職活動におけるマナーにおいての性別によるおしつけを意味しています。

例えば、男性はノーメイクでヒゲは清潔感があればよいとされていますが、女性はナチュラルメイクですっぴんはNG、というのがこれまでの就活マナーでした。今の世の中、メイクをする男性もいれば、ノーメイクの女性もいます。ですが、「女性」にだけ「身だしなみ」としてメイクを「強要」するのはおかしいのではないか、ということです。

また、リクルートスーツは、男性用と女性用と性別がはっきりと分かれて作られているのも、性の多様化を求める時代に即していないとしています。体と心の性別が一致しないトランスジェンダー、性別にくくらない・決めていないノンバイナリーやクィアの方など、体の性別に合わせた服を着るのに違和感を持つ人にとって、男性用・女性用しかないリクルートスーツは、息苦しく感じるのです。

無意識の男性らしさ・女性らしさに傷つく

就活マナーにおける性差は、それに当てはまらない人を無意識的に傷つけて遠ざけます。また、面接の場においても、男性らしい受け答え、女性らしい受け答えといったマナーが提唱されており、見た目だけでなく就活そのものに対する根深い問題が浮き彫りとなりました。

男性はハキハキとして、リーダーシップを発揮してきたような内容が好まれ、女性の場合はしおらしくやり取りするのが良いというものです。その人の持つ能力や人柄を知るはずの面接が、らしさという枷の中に押し込められてしまっては、適切な就職活動とはいえないでしょう。

また、現代の日本では、圧倒的に男性の役職者が多いため、女性に対して不適当な対応が問題視される傾向にあるようです。「女性の社会進出」という言葉自体も、「女性が活躍できていないからこその言葉だ」とも言われています。

型にはまる楽さと息苦しさの理由を考えてみる

就活に息苦しさを感じていても、型に収まることで考えなくても良い理由があったはずです。就職氷河期の時代、新卒はひたすらに面接を受けては落ちを繰り返していました。必死で日々を過ごしていたため、より数をこなすためと、型がどんどんと出来上がっていったと考えています。

リクルートスーツが生まれ、「こうすれば好印象を与えられる」というマナーが出来上がり、それに倣っていればひとまずは良い空気がずっとありました。新卒の就活はそういうものだ、という文化が出来上がっていったのです。

ですが、現在は新卒は売り手市場。考える余裕を持てるようになり、やっと息苦しさに向き合うタイミングが来たのだと思います。文化を作り上げた側ができるのは、新たな変化を受け入れることではないでしょうか。この運動は、過去の否定ではなく未来への橋渡しです。多様な人が生きやすい時代への足掛かりになると思います。

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