中小企業も陥りやすい「大企業病」の原因と対策
大企業病とは
せっかく大企業に入ったのに、数か月や数年で、会社を辞めてしまう若者が後を絶ちません。
退職する方の理由が、すべて同じというわけではありませんが、その多くがイメージギャップによるものとされています。
入社したての頃は意気揚々で、会社のために役立つとの思いで働き始めるのですが、その気持ちとは裏腹に、多くのストレスに耐えきれなくなった結果とも言えます。
その理由の一つに、「大企業病」というものがあります。
大企業病とは、企業の大小に関係なく、社内の風通しが悪いあるいは、意思決定する時間が長くかかったりする状態や状況を指したものです。
全体的に、保守的な考えを持つ企業が多く、社内政治や派閥が蔓延している会社が多いため、総称して大企業病としているにすぎないのです。
大企業病の要因
『安定した業績を維持している』
・一見すると、業績の安定化は、企業にとってとても良いことです。
しかし一方で、現状維持の安定志向が高まり、波風を起こさない人の方が評価されることにより、組織の停滞感が強まることが懸念されます。
『ルール内でしか判断できない』
・ルールは、規律を守るため必要なものですが、過剰なルールに縛られることにより、新たな発想や提案も攻撃対象になることも。
『経営方針や理念が伝わりにくい』
・トップのもつビジョン、または経営指針が現場まで反映されにくく、現場の判断のみで動いてしまうことも。
『社員に向上心がない』
・挑戦や行動を称賛する仕組みがなければ、リスクを感じることで向上心は生まれない。
『コミュニケーションの不備』
・閉鎖的な職場で、コミュニケーションに乏しくなれば、それだけ上司間などでそごが生じやすい。
大企業病のおもな特徴と症状
『社員の視野が狭い』
・新しいことが排除される環境では、目の前の自分の仕事にしか興味がわかず、会社の発展にはマイナスに働く。
『従来のやり方に固執する』
・業績が安定することにより、新たなやり方よりも、従来のやり方の方が正しいと思いこんでしまう。
『成功を妬む風潮』
・ミスをすれば、大たたきされることも多く、失敗に対する許容性がないことで、社員のやる気を失わせてしまう。
『無駄が多い』
・コミュニケーションが少ないことで、ひとつの案件を決済するため、何枚もの社内向け報告書が必要になることも。
また、定例会議などが多く、無駄なプロセスが多い傾向。
『上司の顔色だけを伺う』
・一定の求心力は必要ですが、良否の反応ばかり気にしすぎ、本質的な顧客とのやり取りがおろそかになってしまう。
大企業病の対策
大企業病は、病と名が付いているほど、放置すればするほど症状が進んでしまいます。
症状が悪化してしまえば、最悪経営を揺るがすことにもつながり、会社にとって大きなダメージにもなりかねません。
そこで、適切な時期を見越して、症状を緩和のための措置をとる必要があります。
『社内改革と業務改革』
・上層部の意識改革を行うためにも、大胆な人員刷新は有効な手立てです。
また、業務の効率化を図るためにも、書類のペーパーレス化と情報共有の強化を行い、意思白布を図ることで無駄を一掃する。
『ビジョンの明確化と多様性』
・経営理念や指針を浸透させ、社員一丸の雰囲気づくりを作り出す。
『社員のための企業』
・自由な社風は、新たな発想や行動を生み出しやすい。